その他4
2026/05/30 ・ 634字・約2分
本屋がない
おかしい。
こんなにも、町に本屋はないのか?
図書カードを使うには、街に行かないといけなさそうだ。
静かなところでゆっくり試し読みをして本を選びたい。街の本屋は騒がしくて落ち着かない。町の本屋が恋しい。
昔は個人で営む本屋が近所にもあった。
よく「ちゃお」を買った。
あまり大きな本屋ではなかったけれど、少女漫画もそれなりに置いていたと思う。きっと文庫本もあった。お小遣いを握りしめて買いに行っていた。いつの間にか無くなっていて、今はメガネ屋さんになっている。
鶏肉屋さんもなくなった。
奥さんがとても綺麗で、お惣菜がとても美味しかった。今はカレー屋さんだ。
その向かいのおでん屋さんもなくなった。
いつも「行ってらっしゃい」と「おかえり」を言ってくれる大好きなおばちゃんとおじちゃん。
精肉店もなくなった。
お腹が空いている夕方に行くといつもコロッケをくれた。
和菓子屋さんもなくなった。
買った数と同じくらいおまけをしてくれて、家から数十秒の距離なのにお家に入るまで見送ってくれた。
おもちゃ屋さんもなくなった。
たまごっちブームで、どこに行っても売り切れで悲しむ私にたまごっちを仕入れてくれた。
魚屋さんもなくなった。
おばあちゃんがとっても明るくて、たまにおまけをくれた。
私は小さい頃から町で生きていたらしい。
そして、たくさんの大人に守られていた。
今、温かい気持ちで、悲しくて、寂しい。ちょっぴり涙が出そう。
でもやっぱり便利なのは街だ。
便利になるには、温かさは捨てなければいけないのかもしれない。

