増田とその他!
その他3
その他3

2026/03/30 ・ 1,974字・約5分

余白とは、愛なのかもしれない

#仕事#選択#労働観

壮大なタイトルにしてしまった。
そんな大層なことを書いてるわけじゃないので、期待しすぎないでね。()

大好きな前職から転職して、1年が経つ。

人の温かさも、クライアントとの関係も、挑戦環境も、面白いことに真っ直ぐ向き合う社風も、飲み会が大好きな文化も
全部大好きだった前職を、私は自分から辞めた。

転職先は、当時4期目のどベンチャー。
学生時代、インターンとして立ち上げ期に関わらせてもらった、だいぶ思い入れのある会社だ。
ありがたいことに何度もオファーをいただいていて、社会人4年目になる春、ようやく腹が決まった。

業務内容も、給与も、ポジションも裁量も、
いろいろ並べて、散々悩んだが、
最後に残った理由は、すごくシンプルだった。

「若いうちに、もっと苦しんでおこう」

小難しいことをたくさん考えたけど、要は人生の苦労先取り戦法である。

ただ、もともと安定志向な私にとって、この選択はほぼ博打に近かった。
人生で一番トチ狂った選択だったと言ってもいいと思う。

その分、転職先では異常なほど力が入っていた。

入社直後は、心理的にも物理的にもずっと筋肉痛のような感覚が続いていた。
2ヶ月に1回は、環境に適応しきれず体調を崩した。

こんなに大きな決断をしたんだから、

こんなにみんなと違う道を選んだんだから、

成功しなきゃいけない。
この選択は、正解でなきゃいけない。

でも現実は、全然うまくいかなかった。

やってもやっても成果につながらない。
今やっていることが正しいのかもわからない。

分からないまま走って、もがいて、
お酒に逃げたり、上司の前でボロボロ泣きだしたりした。

この転職という選択を正解にしたいのに。
ちゃんと、お世話になった会社の力になりたいのに。

「やっぱベンチャーって忙しいんですよね〜」

前職の仲間や先輩には、そうやって軽く話して
本音のしんどさは隠して、お酒で流していた。

また飲もうねーって解散して、
なんとかプライドだけで、次の日も渋谷のオフィスへの坂道を登った。

正解であれ。
間違えるな。
常に逆算しろ。
何をする。どっちを選ぶ。何て伝える。次はどうする。

判断を急ぎ続けて、
グレーな状態を許せなくなっていき、
どんどん余裕がなくなっていった。

気づいたら、少し怒りっぽくなっていた。
力の抜き方なんて、もう分からなくなっていた。

肩こりと頭痛がひどくて、整体にばかり通っていた。

取り返しのつかないミスになるかもしれない。
このまま何も残らないかもしれない。

スピードも精度も、全部完璧でなければならないと思っていた。

完璧を目指すべきだと思っていた。

—

先日、会社のインターン生の卒業式があった。

約40名が門出を迎えていて、
「ああ、大きな組織になったなあ」と思った。

最初は、たった3人から始まった組織だったのにな。

その中には、
自分がうまくいっていない時期に、うまくマネジメントしてあげられなかった子もいた。

申し訳なさと、少しの苦さと、
でも、本当におめでとうという気持ちで

少し離れたところから、胸の中で拍手していた。

すると目が合ったその子が、

「真衣さ〜〜〜ん!!」

とまっすぐ私のところに来てくれた。

今日はありがとうございます。
本当にお世話になりました。
写真撮ってください。みんなでも撮りましょう。
楽しかったです。

びっくりした。

勝手に負い目を感じていたのは私だけで、
その子は、まっすぐに前を向いていた。

眩しくて、少し申し訳なくて、でもすごく嬉しかった。

—

式の最後、社長が言った。

「何でもない日を、愛してください」

SNSには、誰かの成功や、華やかな瞬間が溢れている。
それを見ると、自分が情けなくなったり、今の環境が辛く思えたりする。

でも、自分を否定しなくていい。
あなたが過ごした1日1日が、ちゃんと財産だから。

そうやって培ってきたこの場所が
いつかみんなの安心できる逃げ場になるといい。

—

私は、何でもない日を愛せているだろうか。

うまくいかない自分も、
決めきれない時間も、
曖昧なままの状態も。

全部、受け入れようとできているのだろうか。

成功したから、価値があるのではない。

成功は「愛するもの」じゃなくて、
積み上げた先に、あとからついてくるものだ。

コントロールできないことの方が圧倒的に多い中で、
すべてをどうにかしようとするのは、少し傲慢なのかもしれない。

愛するべきなのは、結果じゃない。

その途中で、悩んで、迷って、立ち止まりながらも、
それでも向き合っている自分と、
そんな自分に関わってくれている、
同じように迷って立ち止まりながらも、それでも進む人たちだ。

—

うまくいっていない時間も、
まだ答えが出ていない関係も、
白黒ついていない今も、
全部途中でいい。
中途半端でもいい。

そういうグレーを許せて、
それでも向き合う、それが愛なのである。

余白を許して、
まだ何者でもない私を許して、
そうして私は、まわりも私も軽やかに愛していく。

その他3の他の記事を読む →

仕事の記事

  • Rubyは楽しい
  • AI時代におけるエンジニアの生存戦略
  • 仕事柄、肩は凝った。でも仕事のおかげで救われた。

選択の記事

労働観の記事

にほんブログ村 その他日記ブログへ